NUMA環境で並列プロセスの効率的な実行を妨げることなくマルチユーザ・マ
ルチジョブ環境を構築するには，メモリページなどの実資源の使用状況を考慮
し，有効に使用するスケジューリングを行ない，システム全体の性能をあげる
ことが必須である．本論文では，並列プロセス毎に所有する実ページ情報を利
用したスケジューリング方式，およびページの分類に基づいたページ置換方式
を提案する．更に，提案した方式を詳細確率モデル上で，具体的なメモリ管理方
式，アクセス頻度およびアクセスコストを付加したシミュレーションにより様々な
使用状況の下で評価する．評価の結果，実メモリの局所性を利用したスケジュー
リング方式と，置換するメモリを分散共有メモリモデル上のページ属性を直接
利用する方式が優れた性能を与えることが示された．